saitou_ken_monogatari
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った。そして、2002年(平成14年)は、日露戦争後の歴史に当てはめれば、1922年(大正11年)ごろということになり、もし歴史にうねりがあるとすれば、自分たちは、いま歴史の転換点に立っていると位置づけた。斎藤は、昔、幕末とか第二次世界大戦直後に生まれたかった。生まれる時代を間違っていたと悔やんでいた。が、いまちょうど歴史の転機に自分がいい年齢を迎えることができたと思っている。斎藤は、この本を書きながら、強く思うようになった。〈これからの10年というものは、まさに戦前の正念場であった1920年代に匹敵する。1930年代に入ってからの日本は、すでにどうしようもない加速度がついており、転落を押しとどめることは到底不可能であった。21世紀前半の日本が転落の歴史をたどるのか、あるいは、復活の歴史を刻むのか。答えは、この10年の過ごし方にある。だとしたら、自分は政治の世界で、社会のためにやれるところまでやってみたい〉前述の福田和也は、この著書についてこう述べる。「この本が素晴らしいのは、組織倫理の持続性という問題を正面に据えていること。名著『失敗の本質』を出発点にしながら、個別のケーススタディに終始しないで、軍なり官庁なり、あるいは企業でもいいけれど、高いパフォーマンスをもっていた組織が、その健全さと活力をどう保ち、次の世代へと受け渡していくかを問うている。日露戦争からノモンハン事件にいたる、歴史的視野に立って物を見ているだけではないのです。もちろん、歴史的な視野に立っているだけでも素晴らしいのだけれども。歴史に学ぼうという発想が出来る人自体が少ない。みなが専門知や技術的な枝葉に縛られている」20
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