元日から動き出す日米貿易協定について
さいとう健が苦労して関わった日米貿易協定が、令和2年元日から動き始めます。この思いのこもった協定につきまして、皆様に報告したいと思います。
結論を言えば、この協定は、かつて本当に厳しいアメリカとの交渉を経験したさいとう健の目から見て、よく戦ったと評価されるものと断言できます。このような合意に至った背景について3点指摘できると思います。
一つは、アメリカが合意を焦ったということです。交渉は焦った方が負けです。牛肉のアメリカから日本への輸出は、アメリカが抜けたがゆえにTPPに参加しているオーストラリアとの競争上不利になっておりまして、アメリカは大統領選挙の前に何としても早期に不利な状態を解消する必要があったのです。
2つめは、アメリカのルールでは、合意の範囲が小さければ、議会の承認を得なくて済むということになっており、トランプ大統領が議会の承認がいらない小さな合意を望んだということです。
3つめは、昨年9月の日米首脳の共同声明において、農林水産品について過去の経済連携協定で約束したカード以上のものは出さないと、首脳レベルで文書で確認をしていたことです。この文書の作成時の農林水産大臣は、さいとう健で、この表現を挿入することにこだわり、実現をしました。
これら三つの要因が重なったがゆえに、我が国は交渉上かなり優位なポジションに立て、結果もついてきたということです。
以上が、かつてアメリカとの通商交渉を仕事として取り組んだ経験のあるさいとう健の見立てであります。
安倍政権は、通商交渉で農家を苦しめているという批判があるのは承知しておりますが、日本の農業がどうなってもいいと考えている国民はいないと思います。現政権は、通商環境の整備と農業基盤の維持との両立を何とか図っていきたいと考えているわけであり、今回の合意を受けて、農林水産基盤を強化するための補正予算、当初予算をしっかり確保しているところであります。