農協改革に取り組んで
昨年末の突然の解散・総選挙で何とか3度目の当選を果たすことができ、ほっとしたのもつかの間、農林部会長として、年末ぎりぎりの12月30日まで平成27年度税制改正のとりまとめに取り組みました。
風邪で熱を出し少々寝込んだ後は、年明けから、平成26年度補正予算案および平成27年度本予算案の編成に立て続けに携わり、大忙しの年末年始でありました。
そして、続けて農協改革がピークになり、ようやくひと山越えました。
60年ぶりとなります今回の農協改革は、安倍政権が「改革断行国会」と位置付けるこの国会の最大のテーマの一つであります。
人口が急減していく時代が目前に迫っております。今のままの農業を続けていくのであれば、人口の減少とともに農産物の国内需要も減っていき、農家の所得もじり貧です。
こういう事態になってもなお、農業の所得を維持し拡大しようとするには、方法は二つしかありません。
一つは、国内需要が減っていくなら、海外の需要を取りに行く。輸出です。
二つ目は、生産から、流通や加工の分野に進出していって付加価値を高め、農業の取り分を増やしていく。
あと、生産性を高めていったり、食糧自給率を高めるといったことも重要ですが、大きく言えば、上記二つの方向しかないんです。
このためには、農協改革にとどまらず様々な努力をしていかねばなりません。
図1(月刊さいとう健のページをご参照ください)は、さいとう健が2月19日の予算委員会で使用した資料ですが、すでにこれまで実に様々な努力がなされてきています。農協改革はその一部です。
そして、これからの農協は流通や加工そして海外と、今までお付き合いの少なかった分野とどんどん連携をしていけるようにしていかねばなりません。そのためには、図2(月刊さいとう健のページをご参照ください)にありますように、農協法に基づいて中央会の監査を受けねばならない、中央会は農協を指導するとされていた規制をとりはずし、図2の三角の外の世界と、より自由な展開ができるようにする。これが今回の農協改革のポイントです。
もちろん、今までもそういった努力をされている地域農協もありますが、それがもっともっと促進されるようにしていかねばならないということです。
自民党内での農協改革の議論は、大変難儀をしました。一日2時間半以上続くような会議を8日間も行い、ときに大声が飛び交う中、ようやく決着を見たのが今回の改革案です。さいとう健は農林部会長として仕切り役の司会をしていたものですから、テレビで姿をごらんになった方もおられることと思います。
日本の農業は、このまま推移すれば厳しい状況になっていくことは避けられませんが、一方で、工夫と努力次第で成長の余地が大変大きな産業であることは間違いありません。さいとう健はこれまで経済産業省で様々な産業を担当する機会がありましたが、輸出を含め農業ほど可能性を感じさせる産業はそうはありません。
農協改革を含めた今回の一連の農政改革が、農業の現場での意識改革とあいまって、若い人たちを農業に惹きつけ新しい農業の地平を切り開いていくこととなることを、さいとう健は心から願っております。