自由民主党 衆議院議員 さいとう健 Official Site

臨時国会に向けて

臨時国会が始まりました。この国会の始まる前に自民党の人事がありまして、小生の身の上にも異動がありましたので、まずご報告いたします。
 これまで一年間、農林部会長の職にありましたが、このたび続投をすることになりました。自民党の部会長というのは、政府が国会に出す予算や法案について事前に党内の意見調整をする責任者であり、特に農林関係は意見が対立することが多く難しい仕事のひとつとされております。これまで農林部会長の続投というのはほとんど前例がなく、珍しい人事だそうです。
 また、加えまして、副幹事長もおおせつかりました。この職は言うに及ばず、全国の選挙をはじめとするあらゆる党務の責任者である谷垣幹事長を補佐する仕事でありまして、小生は総括補佐という役割を担うことになりました。
 部会長と副幹事長を兼任するのは極めて異例で、しかも両方ともなかなか困難な仕事ということで、正直緊張を禁じえません。さらに加えて、国会では、外務委員会理事、農水委員会理事、原子力問題調査特別委員会理事と、委員会の理事を3つも兼務することになり、どうやらハードな毎日になりそうです。
 こういった仕事を頂くのも、地元で応援してくださっている皆さんのおかげだと思いながら、人の倍働く気持ちで取り組んでいく所存です。

 農政改革は、昨年一年でかつてない前進を遂げました。具体的には、この月刊の夏季特別号でご報告いたしましたが、今回はこの臨時国会開会中に大詰めを迎えるTPPについてさいとう健の考えを一言申し上げたいと思います。
 TPPは、環太平洋の自由貿易を推進する上でも、環太平洋諸国の連帯を深めるという安全保障上の観点からも推進すべきものであります。しかしながら、一方で、食糧も他の物品と同じように扱って本当にいいのかという疑問があります。さいとう健は、いくらTPPが大事であっても、日本の農業の基幹部分が崩れ、いざというときに子や孫が飢えかねないという事態は何としても避けなければならないと考えています。
 昨今の異常気象を見るにつけ、地球温暖化の進行を懸念せざるを得ません。このまま温暖化が進めば、アメリカの穀倉地帯でも高い可能性でかんばつが起こることが指摘されています。
 一方、現在のアメリカの交渉姿勢は、日本なんていう国は、強硬姿勢で押していけば最後は音を上げるからどんどん押していけばいいんだと考えているようにしか見えません。そういう、最後は降りる日本というイメージを変えていこうと、さいとう健がかつて日米交渉に携わっていたときは歯を食いしばって頑張ったものです。それが、昔に戻っている。
 また、アメリカ政府は、米国議会から交渉権限を委譲してもらって交渉に臨むのが常であります。これまでアメリカ政府から交渉権限をとらずに合意した自由貿易協定はヨルダンとのものただ一つです。その他の協定は全て議会から交渉権限をもらって交渉に臨んでいます。
 なぜアメリカ政府が議会から交渉権限をとるかというと、仮に、相手の外国政府が国内の反対を押し切ってアメリカ政府と合意しても、議会でひっくり返される可能性があるようでは、外国政府も怖くてカードが切れず交渉にならないからであります。
 ところが、TPPについては、アメリカ政府はその交渉権限が議会から取れていません。
 こういう状態で、仮に日本政府が身を切るような妥協をしても、議会との関係でひっくり返されるのは明らかで、さいとう健は、まずはアメリカ政府が交渉権限をとってきてくれと交渉すべきだと思います。
 いずれにしましても、TPP交渉は大詰めを迎えております。悔いの残らないような中味になるよう、農林部会としても政府に厳しく注文をつけ続けていく所存です。
 農政関係では、このほか米価下落問題や、60年ぶりの農協改革など難題山積みです。これらにつきましても折に触れ、この月刊で報告をしていきたいと思います。


2014.10.09|考え方

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