西日本の豪雨被災地を視察
6月末から7月上旬にかけて発生した西日本を中心とした豪雨において、亡くなられた方のご遺族の皆様へ衷心より哀悼の意を表しますとともに、現在も困難な状況にある被災者の皆様へ心よりお見舞い申し上げます。
さいとう健は、7月17日(火)に岡山県と広島県、翌18日(水)には愛媛県を訪問し、農林水産大臣として被災地の視察を行いました。
広島県での視察を全て終えたあと、予定外のことでありましたが、被災された80代と思われる農業者の方と飛び込みで話をしました。
泥で埋まった農地の傍らにたたずんでおられましたので、話しかけますと、不満を口にするわけでもなく、怒るわけでもなく、淡々と窮状を話されます。明らかに御自身で作ったと思われるイノシシを防ぐ柵も破壊され、もはやイノシシの侵入を防ぐことはできない。
農地も泥に埋まり、知り合いの役所の人に相談すると、復旧に1,000万円かかる、国の支援が9割出るが、100万円は自分で出さなくてはならない、でも、そのお金は払えないと。
私(さいとう健)は、お金のために農業をやっているわけではないでしょ、お父さん、続けましょうよと励ましました。が、私の心の中には無力感とえも言えぬ悲しみが広がりました。
今回の大雨の被害に対しまして、農林水産省は、まず、ペットボトル、おにぎりなどの食料を被災地に届けるという仕事に取り組み、食品メーカー等に御協力いただき、18日までに約74万点を届けました。
16日には、まだ被害状況がはっきりしていない段階であるにもかかわらず、先手を打つ形で、農林水産業の災害対策をまとめました。この対策は、昨年の九州北部豪雨の際の対策を参考に練り上げたもので、かなり広範にわたるものになっておりますが、今後、被害状況の把握が進むにつれ、追加の対策も検討していきたいと考えています。
大事なことは、若い人をはじめとして意欲を持って農林水産業に取り組んでいる方々が、よし、もう一度頑張ろうという気持ちになってもらえるような対策にしなければならないということです。
ため池による被害対策も農林水産省の仕事です。民家や公共施設に影響が及ぶようなため池については、1ヶ月で全て緊急点検をすることとしました。その上で、全国に20万存在するため池の安全対策についても早急にとりまとめます。
今回の視察を通じて、災害への対処は常に時間との勝負であることを改めて痛感しました。職員とともに、やるべきことを全てやり切ってまいりたい、その決意を新たにする視察となりました。
平成30年7月19日
さいとう健後援会事務所