第186回通常国会を終えて
本年1月24日から150日間にわたり開催されておりました第186回通常国会が閉会しました。
この国会は、さいとう健にとりまして、かつてない本当に大変な国会となりました。
現在、さいとう健は、自民党の農林部会長というポストにあります。これは、党内の農林政策のまとめ役の仕事です。
政府が、法律を作ったり、予算を作ったりする際、国会を通さねばなりません。ところが、政府がいきなり国会に法律案や予算案を提出しても、自民党の議員でさえ、賛同してくれる保証はありません。そうなると、法律案も予算案も国会で否決されることにもなりかねません。
こういう事態を防ぐために、政府は、国会に法律案や予算案を提出する前に、自民党にこれでどうかと了解を求めることになります。その農林分野の党側の受け手が農林部会長なのです。
政府から法律案等の提案があると、部会長は部会という会議にかけて自民党議員の意見集約をすることになります。ところが、自民党議員は、衆議院と参議院を合わせますと410名もおり、意見集約はなかなか容易ではありません。特に、農林部会は難しい部会で有名で、ときには、議員同士つかみ合い寸前のやり取りになることもあります。何度部会を開いても了承されない時もあります。
そうやって、何とか、政府が提出してくる法律案や予算案について、部会で修正を求めたりして党内合意を達成し、晴れて政府案として国会に提出される運びとなるのです。
今国会は、農林関係の法律は、政府が提出したものが5本、議員提出のものが3本あり、いずれもなかなかに重いものでありました。
加えて、安倍政権の成長戦略の大きな柱として農業改革が挙げられており、こちらの方も党内議論は大変難航しました。
報道にもありますように、農協の抜本改革、農業生産法人の規制緩和、農業委員会の首長任命制への移行など、これまた何十年かに一回の重いテーマばかりでありました。
これらのものすべてに、何とか道筋をつけることができたということで、正直ほっとしているところであります。
振り返ってみますと、昨年10月の農林部会長就任以来、40年ぶりのコメの生産調整の見直しから始まりまして、民主党時代に実施された戸別所得補償の廃止、農地集積の切り札である農地バンクの設立、新しい農地直接支払制度の創設、さらには、難航するTPPへの対応、7年越しのオーストラリアとの経済連携協定の締結と駆け抜けてきて、今また、60年ぶりの農協抜本改革に着手するに至り、これらすべてを農林部会で取り仕切ってきたことに対しましては、実に感慨深いものがあります。
この国会は、さいとう健にとりまして、忘れえぬ国会となりました。
これも皆さんのおかげです。二期目の当選を果たさせていただき、政権与党に復帰させていただいたおかげだと、今ほどありがたく思えるときはございません。
ご支援いただいている皆さんに、重ねて感謝申し上げます。
平成26年通常国会閉会日に
衆議院議員 齋藤 健