巨大地震のあとには・・・
先日、聞いて驚いたお話をご報告します。
火山の噴火や地震に詳しい東大名誉教授の藤井敏嗣先生のお話です。今回の
東日本大地震と匹敵する、過去の巨大地震として、平安時代の貞観地震(西
暦869年)が挙げられます。
実は、この貞観地震のあとには、たとえば、約20年後には東海・東南海
・南海の大地震が起こっており、それと前後するように富士山の噴火も起こ
っているというのです。ちなみに、富士山の裾野に広がる青木ヶ原は、その
ときの噴火でできたものだそうです。巨大地震は、地下でいろいろなひずみ
を起こします。他の場所での地殻変動を刺激するだけでなく、噴火の原因と
なる地下のマグマ溜りの圧力を高めたりします。それらが、次なる大地震や
噴火となって現れてくる。
今回もこれだけの規模の地震が起こっているので、地下ではかなりの異常
が起こっているのは確実であり、今後何らかの現象が現れてくる可能性が相
当あるというのです。現に、3.11のあと、約20の火山で火山性の地震
が認められ、その中には、富士山や箱根も含まれています。そして、今回の
震源域に近くて、なおかつ近年地震が起こっていない地域は、房総沖だそう
で怖い話です。
今回の地震で起こった地下のひずみが、いつ現象となって現れるかは、今
の科学では正確に予見できません。1年後か、5年後か、10年後か、貞観地震
のときのように20年後か、あるいは、何も起こらないか。われわれ常人が
考えても仕方がないことかもしれませんが、頭の片隅に入れておいて、少し
でも備えようという心構えは大事です。
平成23年12月19日
衆議院議員 さいとう健
2011.12.19|考え方