平成以後の新しい日本を
今年は、30年続いた「平成」が終わり、新しい時代を迎える年になります。その年初に、さいとう健・衆議院議員に聞きました。
Q.まず、新年の印象から伺います。
A(さいとう健).今年は、4月30日に天皇陛下が退位をされ、5月1日には新しい天皇陛下が誕生します。国民の皆様も同じように感じておられると思いますが、何か日本そのものも新しく生まれ変われるのではないかという胸の高なりを感じます。この空気を改革の前進に生かしたい。また、さいとう健は、今の皇太子様と同い年であり、同じ時代の空気を吸ってきました。なので、自分もまた、新しい時代のバトンを握ったような気がしております。
Q.では、今年は良い年になりますか?
A(さいとう健).なりますかではなく、しなくてはなりません(笑)。
一言で言うと、国際関係で難しい年、そして、経済は 基本的基調は悪くないものの国際関係次第という見立てをしております。
特に、さいとう健が気にしてますのは、米中関係なんです。
米中の対立が世界を揺るがしそうです。さいとう健は、アメリカは中国に対する見方を完全に変えたんだと思っています。それがどう日本に影響していくか。アメリカは、中国を国際社会の一員として支援していけば、やがて民主国家に変わって仲間になると思ってやってきたが、そうではなかった。むしろ専制を強め、アメリカはじめ国際社会の脅威になってきている、自分たちはとんでもないモンスターを作ってしまったのではないか、アメリカはそう思うようになったのです。アメリカから技術を盗み、アフリカに軍事基地をつくり、南シナ海でも島を軍事化する。宇宙支配にも乗り出す。一体中国は何をしようとしているのかと。しかも、自分たちを上回る産業力、技術力を身につけつつある。これは、トランプ大統領だけの見方ではなくて、民主党も含め、アメリカ全体の見方になっているので、仮にトランプ大統領が交代することになっても、この見方は当面変わらないでしょう。世界の構造が大きく変わりつつある。
米中の貿易戦争やファーウェイ問題の裏には、こういう背景があるので、深刻です。
では、日本はどうするべきか。さいとう健は、アメリカと危機感を共有しつつも、間に入って両者の自制を促してゆく外交をなんとかやっていくべきと考えています。難しい時代です。
Q.中国以外も大変そうですね。
A(さいとう健).北方四島問題、北朝鮮の核・拉致問題等難問山積みです。最近の韓国の動きも大変気になります。政府間で約束したことが守れないのであれば、今後、何を話し合っても意味がないということになってしまいますから。今年は韓国の誠意ある外交を何としても求めたい。
さらに、中東情勢もかつてない緊張を高めています。ヨーロッパもイギリスのEU離脱問題でガタガタしています。問題は、イギリス、フランス、ドイツといった主要国のトップが求心力を失っていることです。
Q.経済はどうなりますか?
A(さいとう健).全体の見通しとしては悪くありませんが、ひとえに米中貿易戦争がどうなるかといった国際関係次第ということではないでしょうか。国内的には、10月の消費税引き上げが懸念材料。かなりの影響緩和策をとる予定なので大きな影響は避けられると思います。
Q.さいとうさん自身の今年の抱負は?
A(さいとう健).この5年間、自民党農林部会長、農林水産副大臣、大臣と農林水産改革に全力を尽くしてきました。詳しくは、昨年8月の特集号で報告いたしました。大臣退任後も自民党のTPPや日米の通商問題を取扱う本部の事務総長に就任するなどいくつかの重要ポストをいただいておりますが、これからは充電しながら、次にどういうステップに進むべきか熟慮していきたいと思っています。
また、これまで副大臣、大臣と政府に3年も入っていましたので、地元の問題、例えば、野田市の東京直結鉄道やつくばエクスプレスの東京延伸、新松戸駅問題など、少しでも前進できないか目配りしていきたいと思っています。特に、流山新橋は、古巣の埼玉県が施工をしますので、引き続き早期完成を働きかけていきます。