能登の被災地を視察して
去る27日の土曜日、能登の被災地を、経済産業大臣として視察しました。
25日に取りまとめた被災された方々へのなりわい再建対策を、さいとう健から直接説明し、現地の要望をうかがうためです。
胸を打たれました。能登の方々の頑張りに。
有名な七尾市の和倉温泉。元日のお客さんは約千名。そこに地震が襲いました。
旅館の方々は自らも被災しているにもかかわらず、最後までお客様ファーストを貫き、2日に無事に被災地から帰したと。
我々が用意している対策は、建物などへの支援策でありますが、守るべきものは建物だけではなく、お客様ファーストの「旅館魂」みたいなものも守り続けなければならないんだと、しみじみ思いました。
近くの一本杉通りにある和ろうそくの老舗。壊滅的な被害を受けましたが、直ちに再建を決意し、クラウドファンディングで資金を集めた若者。代々続く老舗を自分が途切れさせては絶対にならないと。
その近くにある醤油屋さん。建物がやられたけど、奇跡的に醤油樽は残った。あまりの被害の大きさに再建を諦めかけたが、皆の応援でやる気になったと。なんと能登で生産する小麦と大豆で醤油を作ると。その能登愛の深さに胸を打たれました。私と別れた後、こういうメッセージをいただきました。
「大臣にお会いできたこと、涙が出るほど嬉しかった。時に復興を諦めそうになるが、今日の経験を糧に、引き続き頑張っていきたいと思います。」
私の方こそ、涙が出ます。
輪島塗も壊滅的。工房はほとんどやられ、職人さんたちは被災されて散り散り。再建できるかどうかの瀬戸際です。さいとう健は、輪島塗は世界最高の漆器だと思っています。この日本にしかない芸術とも言える伝統工芸を、今、途絶えさせてはならないと、強く思いました。
生の声を政策に活かしていかねばと、改めて決意する一日でした。
令和6年1月29日
経済産業大臣
衆議院議員 さいとう健