東日本大震災三周年追悼式典に出席して
政府主催の東日本大震災三周年追悼式典から、たった今戻りました。
天皇陛下のお言葉に胸が詰まり、ご遺族代表の方々の言葉には涙を禁じえませんでした。
式典の最中、映像で見た津波が押し寄せる風景、福島第一原発の水素爆発の様子、さらには震災後訪問した閖上地域の何もなくなった光景、こういったものが何度も頭をよぎり、式が終わった今でも目の奥から離れません。
3年経っても癒えない傷を抱えている方々に、自分はいったい何ができるのだろうかと自問自答のひとときでした。
時間が経つにつれ、政治に求められるものも変わってきたように思います。
当初は、二度と津波の被害にあわないようにと、新しくできる堤防はできるだけ高くして欲しいという思いが強く、政治はその方向で力を尽くしてきましたが、今は、高い堤防に反対する向きも強まってきております。
また、原発事故で避難を余儀なくされている方々の中には、本当は戻りたくても戻らない決断をする方々が増えてきております。原発が立地する地域はもともと過疎の地域が多いのですが、戻らない決断をする方々が3割も4割も出てくると、地域はやっていけるのだろうか。
さらに、私は原発の再稼働には慎重な立場であり、再稼働には原子力規制委員会の念には念を入れたチェックを前提にしなければならないと考えていますが、一方で、資源小国の日本が、今の時点で、原子力というエネルギーの将来の選択肢を完全放棄してしまっていいのかどうか。
難しい決断を迫られる局面がこれからも、次々と出てきますが、でも、決断をしていかねばなりません。
どんな解決策にも反対の意見がたくさん出てくることが避けられない以上、政治にできることは、結局、熟慮の上断行して、あとは責任を取るということしかないわけでありますが、常に、大川小学校の子供たちをはじめとして、犠牲になられた方々がどう考えるだろうかということに思いを致しながら、政治決断の修羅場に立ち向かっていきたいと、決意を新たにいたしました。
改めて、犠牲になられた方々のご冥福をお祈りし、今なお被災で苦しんでおられる方々にお見舞い申し上げます。
平成26年3月11日
自由民主党農林部会長
衆議院議員 齋藤健