自由民主党 衆議院議員 さいとう健 Official Site

尖閣問題

 尖閣諸島の国有化が正しい選択だったか、あるいは、国有化のプロセスが適切であったかについては、さいとう健は、疑問をもっておりますが、いずれにせよ、中国国内での日本企業や日本人が襲撃されるというのは許されざることです。

 今一度、この背景を考えてみますと、大きくは、極東に大国の力が集中し始めているという国際情勢の変化があります。

 そもそも尖閣諸島の領有権を中国が主張し始めたのは、1970年代に入ってからであり、海洋資源が豊富にあるということが確認されたからであります。今や、中国にとりまして資源エネルギー確保は政権の死活問題です。

 また、ロシアは、欧州への天然ガスの販売が2割以上減少し、さらに価格も大幅ダウンするという状況の中で、東にその活路を求めてきています。

 いわば、力の政治をお家芸とする中国、ロシアといった二大国が同時に、日本近海、極東に力点を置き始めているわけで、結果として、中露の間でも緊張が高まってきています。

 尖閣や北方4島をめぐる最近の動きは、小さな島をめぐる小競り合いというものではなく、こうした大きな構造変化の中で起こっている、根が深い話であります。

 こういう大きな動きに対抗していくためには、日本としても大きな構図で対抗していくことが必要です。つまりそれは、日米の強固な連携の構図です。

 竹島も尖閣も、歴史的経緯からみても法的根拠をみても、いずれも日本に正当性はあるものの、実際に牽制する力を持つのはアメリカの関与であります。

 振り返ってみますと、竹島は、サンフランシスコ講和条約締結の際、韓国がその領有を主張したものをアメリカが拒否したという事実が、ものを言っております。尖閣についても、日米安保条約の適用地域であるというアメリカの発言こそが、中国を最も牽制するものとなっていることは容易に想像がつきます。

 このような国際社会の現実を見たとき、まずは、民主党政権の下で大きく傷ついた日米協調をいかに再構築していくかが極めて重要であります。

 その上で、日本自らが毅然とした対応を取りながら、国際世論を味方につけていかねばなりません。久方ぶりの日本外交の正念場です。

 想定される最悪の事態というのは、中国の漁業者が大人数で尖閣諸島の島に上陸し居座られてしまうことです。そうなりますと、強制排除しなければならなくなりますが、不測の事態が起こる可能性があります。相手が武器を持っているかもしれませんし、死傷者が出るかもしれません。そうなると日中は一触即発です。

 ですから、とにかく上陸を阻止しなければなりません。そのためには、まず、あらゆる手段を使っても上陸を阻止するという力強いメッセージを日本政府が発することです。

 そして、強いメッセージを発してもなお、上陸を図ろうとする者に対しては、断固排除しなくてはなりません。大変残念ではありますが、中国サイドが強行上陸を仕掛けてくる以上、一度はぶつからなくてはなりません。そうしないと、どんどんつけこんでくるというのが歴史の教訓です。一触即発の事態となるのもやむをえません。

 一度ぶつかった上で、アメリカを仲介に引きずりこむ、これしか、この問題を落ち着かせる方法はないと思います。

 できることならば、中国には大人の対応を望むものの、過去の中国のやり方を見ても、その可能性は小さいので、我々も覚悟を決めなくてはならないと思います。

平成24年10月12日  
衆議院議員 さいとう健


2012.10.12|考え方

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