素人外交が政治主導なのか?…尖閣問題に思う
やはり、大失態だと思います。
さいとう健も、23ヶ月も難航した日米自動車交渉をはじめとして、多少の外交
交渉の経験がありますが、そういう目で民主党政権の外交を見ておりますと、基
本すらできていない。 まず、船長を逮捕して国内法を適用すると宣言した以上、
中国は絶対にそれを認められないわけですから、最悪の事態まで覚悟して、こと
に臨まなければなりません。
中国が打ってくるであろう報復手段をいくつもシミュレーションし、それぞれ
の手に対して日本はこうするとまで準備して考えておくのが、外交の基本です。
今回の経緯を振り返ってみても、中国が強硬だったのでびっくりして船長を釈放
してしまったとしか思えません。何も考えずに逮捕したのかと唖然とするばかり
です。
また、船長を釈放するにしても、裏ルートで落としどころを調整してから釈放
するのが、普通のやり方です。今回の経緯を見ると、民主党政権には、ルートす
らないとしか思えない。 一言で言えば、覚悟のないまま船長を逮捕し、相手国
と落としどころを探らずに船長を釈放して付け込まれ、しかもその責任を全て検
察に押し付ける。
これはもう、素人の思いつきの外交以外の何ものでもありません。
この事件が発生したのは民主党の代表選の最中であり、船長が釈放されたのは、
総理も外務大臣も訪米中で国内にいないときでした。いったいどれだけ詰めた検
討をした上での判断だったのでしょうか?
内政のミスは、政権が代われば取り戻せます。しかし、外交のミスは、政権が
変わってもなかなか取り戻せません。野党のやれることは限られておりますが、
それでもなお、国会の場を通じて、厳しく政府を正していくことでその責任を果
たしていかねばならないと思い定めております。
御報告
これまで一年間、自民党の環境部会長をしておりましたが、このたびの人事で、
政務調査会の事務局長を拝命いたしました。石破茂会長-さいとう健事務局長の
ラインで、自民党の政策立案に当たります。
また、国会では、花形委員会である予算委員会に所属することになりました。
環境委員会はこれまでどおりです。テレビ放映のある予算委員会ではときどき顔
が映るかもしれません。
平成22年9月29日
衆議院議員 さいとう健