22年度予算を考える。
新人議員さいとう健として、初めて政府予算の審議に臨みました。
さいとう健は、野党だからということではなくて、平成22年度予算は将来の日本に大きな傷跡を残すものだと本当に危機感を感じております。
何よりも心配なのは、過去に例のない国債の大増発です。
自民党政権の下で編成されました21年度当初予算では、国債発行額は33兆円でした。それが今回は44兆円と、一気に11兆円も増えました。
税収も9兆円落ち込みましたので、その分は仕方がないとしても、2兆円の国債の増発となります。さらに、難しい言葉になりますが、財投債という国債も最低限2兆円は増発しておりますので、あわせれば、昨年より、少なく見積もっても4兆円の国債増発となっております。
これが23年度の予算ということになりますと、さらに、ガソリン税の暫定税率の廃止で約2.5兆円、子ども手当ての完全実施で約2.5兆円の財源が必要になります。財源の見通しがたたなければ、4+2.5+2.5兆円の合計9兆円の国債増発が最低限でも必要になります。そもそも、わが国の税収は、すべて合わせても37兆円しかありません。こうなりますと、無駄を省くというレベルの話ではありませんね。
この予算で将来の財政はどうなるのか。誰もが心配になります。
ところが、財政の見通しと財政再建の目標については、今年の6月に作るということで未だに政府からは出されておりません。つまり、これだけ国民の皆さんから借金をするのに、返済計画がないということです。世間では、返済計画のない借り手にお金を貸す銀行はないというのに。
曲がりなりにも自民党は、これまで予算案を国会に提出するに当たっては、中期の財政の見通しとセットで審議をお願いしてきました。さらに、予算編成の際には、財政再建目標を掲げ、その目標を達成するためには本年度このぐらいの社会保障費の削減が必要というようなあんばいで、逆算して予算編成をしてきました。それが、かえって、医療費などを削り過ぎる原因となり、自民党は大変な批判を受けることになりましたが、それでも、政権を担う政党としては、規律を持たねばならないと思います。
ただ、批判だけではいけません。さいとう健も中心メンバーとして予算案の対案をまとめました。子ども手当てなどのばらまき政策を止め、国債発行も抑えながら、筋肉質の予算の中にも、社会保障や教育、経済成長を目指すための投資、農業対策など十分な内容を盛り込むことができました。財政再建目標もはっきりと明示し、いずれ手を打たなければならない歳入・歳出一体改革については、超党派できちんと議論しようという踏み込んだ提案まで行いました。
ばら撒いて票を取りたいという気持ちは、政治家である以上わからないわけではありません。でも、税収が37兆円しかない国で、お金持ちにまで1年間で5兆円以上もばらまくような、子ども手当てのような制度を恒久的に作ってしまうという発想は、さいとう健には、政治の堕落としか思えません。4年間継続すれば20兆円です。
こんな財政に誰がしたという批判は甘んじて受けねばなりませんが、だからといって、現政権が何をやってもいいということにはならないと思います。
さいとう健は、与党だろうが野党だろうが、おかしなものはおかしい、正すべきものは正す、対案も示す、そういう姿勢でこれから気合を入れて取り組んでいく決意です。
平成22年4月1日
衆議院議員 さいとう健