外遊で感じたことpart2
5月3日から10日まで、アラブ首長国連邦、ドイツ、イタリアにハードスケジュールの出張に行ってまいりました。主な目的は、ベルリンで開かれた地球温暖化対策に関する閣僚会合に、大臣の代理で出席することでした。
メルケル首相のスピーチで始まったこの国際会議には、先進国、途上国の大臣をはじめとする代表が30数カ国参集しましたが、公式な会議だけでも合計8時間半、それにランチやレセプションが加わり、公式ディナーに至っては3時間というものでありました。
議論の中味は、京都議定書の期限切れの後、2020年までのCO2等の削減をどうやっていくか、また2030年までの削減目標をどう構築していくかという点でありましたので、わが国の主張を4回ほど英語で発言をいたしました。
感じたことの第一点は、この会合は、過去4回開かれていますが、英語で発言した日本の政治家は今回が初めてだったと、大変良かったと各国から言われたことの違和感でありました。これまでは、日本語で事前に用意されたものを読み上げるだけだったそうです。
日本の実情から言えばやむをえないことだとは思いますが、一方で、英語以外で発言を行なった国はフランスだけで、韓国も中国も流暢な英語で発言をしておりました。もっともフランスも実際には英語を話すわけでありますが。これでは、世界で日本の存在が発揮しにくく、改めて英語教育の改革の重要性をしみじみ実感してまいりました。
そういう意味では、今、わが党で検討されている、大学入試や公務員試験にTOEFLを活用しようというアイデアをはじめとして、大胆な英語教育改革は、一刻の猶予もない。
もう一つ、実感いたしましたのは、イタリアで聞いた日本の出来事です。
中国要人に会えるということがはっきりしたので一日訪中を延期したら、参議院環境 委員長の川口順子さんが委員長をクビになった。
本件、調べてみますと、川口委員長が出席しなければならなかった国会の会議は、自らが委員長を務める環境委員会でしたが、この日の委員会の予定は、法案の提案理由説明でありました。
提案理由説明というのは、国会に法案を提出した環境大臣が、その理由と法案の内容を5分ほど説明するというもので、質疑もなければ採決もない、ただ5分間だけ話を聞く というものです。こんなのは、代理の委員長でも充分務まる簡単な仕事で、元外務大臣として中国の要人と会うよりも何で優先されるのか。これで、野党に解任決議案を出されてクビになってしまう。さいとう健には、全く理解できません。
この件について、イタリア訪問中にイタリア人に話したら、全く理解できないというか、信じられない出来事で、日本は本当に変わった国だと映るようです。
帰国後、民主党の中枢中の中枢にいる友人に、こんなことでは日本の外交は後退 するばかりだから、国会のルールを変えて、もっと外交に力を入れるようにわれわれの世代で変えないかと話しかけましたが、全く関心がありませんでした。
過去、自民党にも野党時代には嫌がらせに近い国会運営をして、民主党の大臣等が海外に行けなかったケースもあったでしょう。しかし、民主党もさんざんやってきた。過去のことは言い合っても仕方がない、水に流して、将来どうするかを真剣に話し 合おう、自分も党内で努力するからと申し上げたのですが、駄目でした。
さいとう健は、憤りを感じました。微力ではありますが、今回の出来事を契機に、このおろかな国会のルールを何としても改善していきたいと決意しました。日本が 国際舞台で遅れを取らないために。
平成25年5月14日
環境大臣政務官
衆議院議員 齋藤 健