街の本屋さんを元気にするための議連「中間とりまとめ」
今、街の本屋さんがどんどんなくなっています。全国の市町村のうち45%の市町村は、本屋さんが1つ以下しかない。26%は本屋さんが1つもない。こんな状況です。
本屋さんは、単に本を販売する場所ではありません。「未知の本との出会い」の場となっており、本屋さんがなくなるということは、個人の教養の幅に影響を及ぼすばかりでなく、日本文化の劣化につながることを意味します。
さいとう健は、消えゆく街の本屋さんを何とかしたいと考え、今から約6年前に、議員連盟を主導して発足しました。スタート時には40名だったメンバーも、今は148名となり、自由民主党の議員連盟としては最大規模に拡大しました。この間、名称を「街の本屋さんを元気にして、日本の文化を守る議員連盟」に変更し、14回の回を重ね、本屋さんをめぐる厳しい現状や課題等の議論を行ってきたところです。
昨日12月8日の議員連盟総会では、これまでの議論を中間報告すべく、「中間とりまとめ」を行いました。「中間とりまとめ」では、日本の本屋さんをとりまく課題、対応に関する検討の方向性などを整理しました。
例えば、本には、全国どこでも同一の価格で手に入れられるよう「著作物再販制度」というものがあります。ところが、ネット書店による送料無料化や過剰なポイント付与などといった実質的な値引きが横行し、街の本屋さんの経営が立ち行かなくなっています。
一方、フランスでは、書店の減少は文化の危機だという認識で、ネット書店の配送料に最低料金を課す法律が2021年に制定されました。また、同年には、本が買える「文化パス」を政府が若者に配って本屋での購入を促しています。
また、図書館との関係では、韓国では文化の振興のため、公共・学校図書館は、地域の本屋さんを優先して本を購入するよう、政府から勧告が出されている状況です。
本屋さんと図書館の共存が大切ですが、日本では、公共図書館がベストセラーや新刊本を何十冊も揃えるため、本屋さんと図書館の共存が難しくなっています。これは、本屋さんにとって問題であるのはもちろんのこと、図書館の蔵書が人気のある本に偏ってしまい、私たちが多様な世界に接する機会の減少につながってしまう状況も危惧されます。
こうした状況を踏まえ、一定のルールや制限を設ける必要があるのではないか、引き続き議論を行っていきます。不公正な競争環境の是正に加え、遅れているDX(デジタルトランスフォーメーション)対応を進めることや、時代の変化にあわせて収益構造を見直すことも重要で、これらの点についても指摘しています。
今後、さらに議論を深め、来年の春頃を目途に最終報告をまとめ、具体的な政策につなげていけるよう、さいとう健は動いていきたいと思います。
令和4年12月9日
法務大臣
衆議院議員 齋藤 健